救命と死・悲しい現実

maabo2005-04-18

今日、"ぶちょー"からショックな事実を教えられた。
「まさか」って思ったけど紛れもない事実だった。 その事実を我々は4ヶ月も知らなかったのだ。 悲しすぎる現実。
俺とぶちょーの恩師が亡くなっていた・・・
しかも我々に最後のレスキュー救命の技を一生懸命に伝えた後に・・・
話は去年の10月にさかのぼる。 俺はセルフダイビングを楽しみたいと思い、それならば絶対に自分と仲間の命を守る「レスキュー認定」は必須だと感じた。 何もカードコレクターではない、技術を知ることが大事だと感じたからで、イントラやガイド無しでセルフでダイビングを楽しむと言うことはそれなりのリスクがつきまとうからだ。 いつも一緒に遊ぶBUDDYの"ぶちょー"にも、「一緒にセルフに行くならレスキューを取って欲しい」と話した。 "ぶちょー"は快く承諾してくれて二人でレスキューを受けることになった。 事前に地元のショップでEFR(エマージェンシーファーストレスポンス・CPRやファーストエイド)の技術を習得して、その後ダイビングレスキューの本格的講習を受けるため西伊豆へ向かった。 台風の影響で陸の孤島になったその場所へ気合いで何回もたどり着くのだが、講習が中止になったりした。 そしていよいよ講習を受けることが出来る日がやってきた。 インストラクターである若い彼は最近珍しい程に腰の低い優しい青年だった。 しかしレスキュー講習を我々に教えていくのに一切の手抜きはしない厳しい姿勢も持っていた。 2日間をかけて水中や水上、陸上で想定された事故への対応を学んでいった。 彼は講習の合間に命の大切さを我々に話し、レスキュー技術の必要性を教えてくれた。 彼から認定を受けた我々は次の日、初めてのバディーダイブを楽しんだ。 まだ人が居ない早朝7時に入る海は伊豆で初めて見るほどに綺麗だった。 彼も我々と別にエントリーしてきて水中で会うと我々を「タカクラタツ」を見に連れて行ってくれた。 初めて仲間だけと潜る自由な海に感無量だった。 彼は言ってくれた「これからはセルフで自由な海も楽しんで下さいね」
我々に認定したあと、すぐに彼は事故で亡くなったらしい・・・。 
そのことを今日まで知らなかった・・・我々。 
既に何回か、実際に我々は、彼に教わったレスキューの技術を活かして救われ、救った経験を持っている。 我々は彼の最後の生徒であり、彼に習ったことを誇りに思い、これからも自ら勉強を続け、仲間とも安全で楽しいダイビングを心掛けていきたい。 
今、ログに書かれた彼のサインを見る事が辛い。 彼の写真もログに貼ってある。 最後の日に書いたくれた一言が胸を詰まらせる。

今後どこかの海で「タカクラタツ」を見たら、きっと・・・ 
今日は彼を想い出して一杯やろう・・・ご冥福をお祈りします